各代表の新星

ワールドカップ有力国の期待の若手を紹介しながら、もし、その若手選手が、ACミランに来たら、どう起用するかを妄想する連載企画。
選手のプレーはあまり見たことがなく、サッカー番組でダイジェストぐらいしか。なので、雑誌の評価を参考にしている。

まずは、グループAから。
ドイツ代表のメルテザッカー（22歳）。
今回のドイツ代表は、世代交代に失敗し、ディフェンス陣に若手を起用するものの、失点を食らうことが多い。経験が重んじられるディフェンダーだけに、不安があるが、そのディフェンス陣のセンターバックを任されているのが、ハノーファーに所属しているメルテザッカーだ。
この196センチの長身ディフェンダーをACミランは、ネスタ・カラーゼのバックアッパーとして既に獲得に合意したという噂もある。
家族思いのこの若者は、ファールの少ないクリーンなディフェンダーとしても知られている。もしかしたら、こうした優しさが、サッカー選手としての成長を妨げかもしれないが、僕はこういう選手が好きなのである。

グループBでは、イングランド代表のウェイン・ルーニー（21歳）。怪我の回復具合いが気掛かりだが、イングランド代表のアタッカー陣に欠かせない存在にまで成長した、「ワンダーボーイ2世」。
小柄ながら、元祖「ワンダーボーイ」のオーウェンよりも頑強な肉体で、ゴール前での競り合いも苦にしない。
2トップでも、1トップでも、3トップでも、こなす器用さを持つ。2トップのセカンドトップが理想的だとは思うが。
本人は、スピード型だが、スピード型との相性も悪くない。シュート力も文句ない。
以前は、審判に食ってかかる暴れん坊タイプだったが、今は、精神的に成長の跡が伺える。
ACミランに来たならば、ジラルディーノの良き相棒になるだろうが、ルート・ファン・ニステルローイの放出も囁かれるマンチェスター・ユナイテッドが彼を放出する筈もなく、ACミランに来る可能性はゼロに近い。

グループCでは、アルゼンチン代表の期待の新星、リオネル・メッシ（19歳）。スペインのFCバルセロナで開花したマラドーナの正統後継者。ただ、怪我の為、コンディションは良くはないので、あまり無理をさせて欲しくはない。今大会よりも、南アフリカ大会で主役になるかもしれない。
右ウイングが主戦場になっているが、トップ下でもドリブラーとして活躍できるだろう。ジラルディーノの1トップに、カカとメッシのダブルトップ下。皆も見てみたいと思わないか。ただ、バルセロナを長期に渡って牽引する可能性のある至宝クラスの若手をバルセロナが放出する筈もない。

グループCのオランダ代表には、アヤックス所属のマドゥロ（21歳）。若手ながら、試合展開を読み取る眼は、10年選手ばり。オランダの次代を担う大器と称される。
おそらく、ワールドカップ後に、欧州のビッグクラブに移籍するだろう。今回は、オランダ代表から外れたセードルフの後継として、ミランが獲得に乗り出してもおかしくはない。

他には、ドイツのハンブルガー所属で、オランダ代表でも司令塔を負かされるファン・デル・ファールト（23歳）も、逸材といえる。司令塔バラックが抜けたバイエルン・ミュンヘンが獲得に乗り出していると言われている。

グループDでは、ポルトガル代表のクリスチアーノ・ロナウド（21歳）。
足元のキレは極上で、イングランド・プレミアリーグでも、屈指のドリブラー。シュート力もある。かっとする性格は玉に傷だが、類稀なる才能を持ったポルトガルの若き俊英。
ただ、左右のサイドハーフか、左右ウイングが得意なポジションだけに、システムに合わない彼をミランが獲得する可能性は少ない。また、天才型故か、プレーに好不調の波があるのも、残念だ。